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*
「リデアが着替え終わる前に少し片付けるか……」
そう言いフラスコや研究書、裁縫道具や布地を片付けていく。
片付け終わると庭先にあるオレンジの木から実をもぎとり、机に置き、紅茶のカップを二つ用意する。
──ガチャリ
リデアが照れながら、黄色い服を着て部屋に戻ってきた。
「こ、この着方で良いの?」
「OK! ふむ……」
兄と呼ばれる青年はリデアの周りを一回りしてまじまじと見ては一人でぶつぶつと何かを言っていました。
その内、納得したのか頷くとリデアに笑顔を向けた。
「さて、お茶はいかがかな?」
*
紅茶を注ぐとオレンジを輪切りにし、注いだ紅茶に居れました。
「砂糖の代わりにマーマレード入れるか?」
「うん!」
外から小鳥のさえずりや風に揺れる木々の音が聞こえ、静な時間が過ぎる。
今日も平和だと言ってしまいそうな時間だ。
兄と呼ばれる青年が立ち上がり窓を開けると先ほどの様に気持ちのいい風が頬を撫で、紅茶や切ったばかりのオレンジの香りをリデアたちに運んだ。
「あぁ、そうだ!」
「?」
兄と呼ばれる青年は思い出したかの様にリデアにこう聞いてきた。
「今週の休みは暇か?」
「うん」
「今週の休みに錬金術士の集まりがあるんだ」
「へぇー」
「で、行ってみないか?」
「んー……」
「よし! 決まりな!」
「うん……」
こうしてよくわからない集に参加することになったリデアだった。
「あっそれと、その服来てこいよな!」
「え……」
──前途多難かもしれない。
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