48人が本棚に入れています
本棚に追加
ーー
ーーーー
ーーーーー俺様のとこにこいよ、可愛がってやんぜ?
(何でぇ?)
何言ってるんですか!ーーは私のです!!
ーーー
ーー
(ねぇ、仕事しよぉ?)
ーーーー嘘吐いちゃいけないんだぞ!!!!
かわ、い…。
ーー
(どうしてぇ?)
ーーー噂では会計様が仕事してないって。
ーーーー
(してる、のに)
(もう、疲れた…よ)
ーー
ー
ーーーー
ーー
「ん…」
頬を伝う冷たい感触に目が覚めた。
何だかとても酷い夢を見ていた気がする。
胸がギュ、と締め付けられるような、そんな夢。
「何…」
頬に手をやると、涙で濡れていた。
「…泣いてたのか」
ゴシゴシと涙を拭う。
どうして、っていうか。
その前にまず
「どこだここ…」
赤と紫の家具で統一された部屋は、衣類や教科書が散乱していた。
スン、と鼻を鳴らすと、埃の臭いを感じる。
「汚ったない部屋…」
てか赤と紫ってセンスないな。
目がチカチカして痛い。
もちろん俺の部屋でもなければ、こんな悪趣味な部屋を持つ友人もいなかったはずだ。
あ、いや、いたな、一人、…じゃなくて二人。
うん、いいやあいつらは別に。
バナナの皮で滑ったのは覚えているが、そこからの記憶がさっぱりない。
誰かが俺を自室へ運んでくれたのだろうか。
取り敢えずサッパリしようと、俺は洗面所を探した。
最初のコメントを投稿しよう!