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えっ何で?どうして?
意識が次第にハッキリしだし、手足の感覚が戻っていく。一秒もないうちに全ての感覚が戻った。
周りは憑依する前と同じ場所、物の場所も同じ、ただ違うのは……。申し訳なさそうにうつむいている着物を着た、半分透けている美しい人が見えること。
知らない人だけど一目でわかった。
「リーリエだよね?」
静かにその女性は頷いた。
「ねぇ何で?何で死んでいるの? 治癒魔法を使えば助かるんじゃないの? ねぇ何で黙ってるの?」
泣くボクにリーリエは黙って俯いているだけ……。
「そっか、やっぱりリーリエもボクを見捨てるんだ」
『そうではない。そうではないのだ。ただ、お主に申し訳がたたんのじゃ。
あれだけ言っといて、また失敗した妾が情けなく、腹ただしいんじゃ』
そう言ってボクを見たリーリエの顔には苛立ちが見える。
手は固く握られていて。生きていたら血が出ているのではないのかと思うほどだった。
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