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『ふふふ、まさかこの妾のことをまた母と慕ってくれる者が来るとはな』
この時のお母さんの言葉には悲しさが隠れていた。
さらにお母さんの抱きしめる力が強くなる。
少し息苦しいから顔を上げると涙が頬から伝いつつ、キラキラと消えていた。
『もう二度とこの温もりは手放さん。例えこの魂が消えようと……な』
ん、二度と? どういうことだろ?
「ねぇお母さん?」
『すまんが少し静かにするんじゃ』
お母さんに涙の訳を思ったことを聞こうと思った時、お母さんの鋭い制止の声が聞こえた。
どうしてか聞こうとした時、地面に六芒星の陣が出てきた。
陣が消えるとそこに黒色のローブにフードを深く被った怪しい人が立っていた。
その人は明らかにボクたちに敵意を持っているみたいで、刺さるような視線が気になる。
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