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明るく輝くその檻は神秘的に感じるほどだった。
「綺麗」
「えっ君が発動したものじゃあないの?」
何気なく言った小さな独り言を聞いたみたいでローブの人が驚きながら聞き返してきた。
「うん、この魔法はお母さんがさっき発動したんだよ」
うちのお母さんは最強です。
ついさっきまでは存在すら知らなかったけど……。
「君以外に誰か居るのか?」
周りを見渡しながら質問してるけど、お母さんはさっきからボクの横に変わらず立っているのだけど。
『妾は今幽霊じゃよ。普通見えなくて当然じゃ』
「そうだった。じゃあどうすればいいの?」
さっきから普通に話していてすっかり忘れてた。
「君は誰と話をしているんだ?」
「え、お母さんだけど?」
「いや、どうみても木だから」
次第にローブの人の視線が敵意から生暖かいのに変わってきた気がする。
『ふむ。リリィよ、ちと妾に魔力を流してくれ』
お母さんからの提案の意味はわからないけど、言われたとおりに手を繋ぎ、治癒の時に感じた温かい物を手から流すようにしてみた。
するとお母さんの体が光だし、直ぐに光は収まったが、お母さんの居た所にはお母さんの姿がなく、その代わりに一匹の猫がいた。
その猫はお母さんの髪の毛と同じ黒色で黄色の綺麗な目をボクに向けている。つまり……。
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