第一章~外の世界~

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「お母さん、何でデコピンしたの?」  お母さんを持ち上げ怒っているのに、お母さんは笑っていた。 「リリィよ、怒るのは良いが頬を膨らませても可愛いだけじゃよ。  それにさっきのは説明を省くための方法じゃよ。  リリィについての必要最低限の情報と妾のことを送り込んだんじゃ。『インフォメーション センド』と言う魔術を使っての」  驚きを隠せなかった。  思わずお母さんを離してしまったが、それを気に止める程の余裕は無い。  お母さんが言った魔術は普段ボクたちが使う魔法とは違ったもので。魔法も魔術も魔力を消費する魔導と言う一括りに分類されているらしい。  魔法は自分の持っている属性によって使えるものは限られる。だけど、魔術は魔力と一緒に寿命や人など何か代償が必要で、その変わり魔法より強い。  でも、魔法が魔術の劣化版ながらも再現が可能になってしまってからは魔術は"廃れた魔導"と言われて、お伽噺にしか出てこないのに。
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