プロローグ~捨てられる前~

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ーーー八年後ーーー  ボクの名前はリリィ。自慢はみんなには女々しいて言われるけど、腰まで伸ばした白い髪。  今日で八歳の誕生日を迎えました。  普通、魔力は八歳で安定して機械で測れるようになるとお父様が仰ており、ボクもこれから測ります。  あ~、魔力の量は多めが良いな。どんな属性になるのでしょうか?  いろんなことに思いを膨らませながら、いつもと変わらない朝食を食べていると、お父様が真剣な表情で食卓に来られた。 「リリィ、朝食が食べ終わったら私の書斎に来なさい」  そう仰るとお父様はボクの返事を待たずに出て行かれた。  朝食を勢いよくいただき書斎へ行く途中、弟のユグドラシルがこちらに向かって走って来ました。 「お姉様、ついに来ましたね。僕、お姉様の結果を楽しみに待ってます」 「うん、ボクもです。あと、ボク男なんだからお姉様じゃあなくてお兄様ですよ」  ユグドラシルはいつもボクのことをお兄様ではなくお姉様て呼びます。やめて欲しいのですがやめてくれません。 「ははは、お姉様はどうみても女の子みたいですし仕方ありませんよ」  むー。 「怒ってほっぺたを膨らませても可愛いだけです」 「可愛い言うな。ボクは男です」 「ハイハイ。お姉様は男だよ」 「だ~か~ら~、お姉様ではないと」 「そうですね、じゃあ頑張ってください。お ね え さ ま」 「あっ、 もうどっか行ってしまった」  ユグドラシルと話しているといつの間にか書斎の前についてしまい、一気に緊張で胸がバクバクです。
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