第一章~外の世界~

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「すまぬかった。お主を傷付けまいとばかりでな、大事な思いについては考えとらんかった」  そういいながらお母さんは肉球でボクの頬の涙を拭った。  お母さんとそんな話をしていると、急に身動き1つしていなかった帝王様が急にぶつぶつと独り言を言い出し、頷いたかと思えばこちらに向かってきた。  その一連の動きは不気味で怖い。  帝王様がはボクの正面に立ち、顔を会わせるように腰を屈め、ボクの瞳を見ながら言葉を選びながらボクに話しかけてきた。 「すまん、確かに君の過去は口で言うのは憚られることだった。でだ、私の娘にならないか?」  えっ。  ボクは体が硬直し、なにも考えれなくなった。  帝王様は覚悟を決めたようでボクの顔を見ている。 「はぁ、話が飛躍し過ぎじゃ。なぜお前さんはそう思ったのか説明してもらってもいいかの?」  下からは呆れた様なお母さんの声が聞こえた。
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