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「すまぬかった。お主を傷付けまいとばかりでな、大事な思いについては考えとらんかった」
そういいながらお母さんは肉球でボクの頬の涙を拭った。
お母さんとそんな話をしていると、急に身動き1つしていなかった帝王様が急にぶつぶつと独り言を言い出し、頷いたかと思えばこちらに向かってきた。
その一連の動きは不気味で怖い。
帝王様がはボクの正面に立ち、顔を会わせるように腰を屈め、ボクの瞳を見ながら言葉を選びながらボクに話しかけてきた。
「すまん、確かに君の過去は口で言うのは憚られることだった。でだ、私の娘にならないか?」
えっ。
ボクは体が硬直し、なにも考えれなくなった。
帝王様は覚悟を決めたようでボクの顔を見ている。
「はぁ、話が飛躍し過ぎじゃ。なぜお前さんはそう思ったのか説明してもらってもいいかの?」
下からは呆れた様なお母さんの声が聞こえた。
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