プロローグ~捨てられる前~

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 いつまで泣いていただろう。  涙が枯れて、嗚咽するしかないときに扉の開く音が上の方からする。 「無様ですね、お姉様。いや、今はリリィか。お前はこの家の恥さらし、奴隷いや家畜以下なんだよ。せめてのお情けでその服が着られるようなものを! これからは僕を呼び捨てにするな。僕のサンドバッグになれ」  そう捲し立てるとユグドラシルは出て行くついでとばかりに2度蹴ってきた。  痛い……痛い……、蹴られたお腹が痛い。そして心に深く深くこの痛みはさらに染みていった。  それからというもの、毎日来る親や弟だった者に暴力を振るわれ、固いパン一つと冷えきった少量のスープを与えられ続けて早一週間経とうとしていた 「もう死にたい」  つい溢す本音。 『どこでじゃ?』  突然、言葉が頭に響く。  それに何の疑いもなく答える。 「ここで」 『傷つけれる物がなければ、首を吊れるようなものもないぞ?』 「どうにかして」 『無理じゃな』 「うん無理。けど、こんなの嫌だ」 『どうするつもりじゃ?』 「わからない」 『なにも出来んぞ?』 「なにも出来ないね」 『それでも、やるのじゃな?』 「うん、こんな家はもうこりごりだから」  久々に聞く罵詈雑言ではない問いかけに答えた。 『良くぞ、言った、後は妾に任せろ。お主は寝てれば良い』 「え、なに?」   あ れ?  なん か 体 が急に だ る く…………
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