第三漂流

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 パチンコ経験のない僕は、その大音響に圧倒されて頭がクラクラしてしまった。  浜田は、店内中央付近にあるパチンコ台に座って、早速打ち始めていた。手慣れた仕草から、パチンコをやり慣れてる雰囲気が伝わってくる。浜田の両脇の台が、ちょうど空いていた。  考えるより先に、体が動いた!  ふらふらと足を進めた僕は、浜田の右隣りの台に座っていた。お金を財布から出したものの、どうして良いか判らずにオロオロしていたら、それを見ていた浜田が、 「ここにお金を入れれば良いですよ」と、気さくな感じで話し掛けてきた。  思わぬ展開にビックリして固まった僕に、浜田がもう一度 「ここに千円札を入れれば良いですよ」と、にこやかに微笑みながら、指差して教えてくれた。 「あ、有難うございます」と、お金を入れる。パチンコの玉が、ジャラジャラと出てきた。 ……全く予想外の展開だぞ!パチンコなんてした事ないし、僕は何をしてるんだ!……  1人で、もたつきながら打ってると、 「ここらへんを狙って打って下さい。全く初めてなんですか?」と、浜田が話し掛けてきた。
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