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肩を揺すると、スノウは八割方休眠しながらも体を起こす
「おはよう」
「レイ兄・・・おや、すみ」
スノウは目を閉じ俺に倒れ込むとまたスヤスヤと眠り始める
おはようにおやすみで返すとは
さすがに予想外です
「ほら、今日は入学式だし遅れるわけにはいかないだろ?
だから起きろ、朝飯はできてるぞ?」
「・・・おぶ、って」
おぶって、と言われてもなぁ
身体的には問題ないが、生憎甘やかすつもりもないし、シスコンでもない
ここは心を鬼にして・・・
「・・・ダ、メ?」
「よし任せとけ」
はい、俺はシスコンです
妹の上目遣いには勝てません
背中を向けると、スノウに肩をつかませ背負う
扉を魔法であけ廊下に出た
おかしいな、俺シスコンじゃないのに
こっちの世界に来てからシスコンに目覚めたのか?
窓から朝日が差し込む
春の暖かな日差しが廊下を照らしている
気持ちがいい朝だな
背中からスノウのゆったりとした呼吸音が聞こえてくる
春眠暁を覚えずと言うし、その寝たい気持ち、よくわかる
長い廊下を抜け、食堂へと入る
ここはメイドや執事が食事を取るところだが、堅苦しい食事が嫌いな俺達が命令してここで食事を食べるということにしたのだ
なかに入ると、燕尾服を身に纏い、細い体つきをした50代男性と、恰幅のよい熊のような男性がいた
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