ep.5 食べれる?食べれない?

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「すみません、早めに来ていただいて。」 「いえいえ、用事早く終わらせたので。」 次の日俺は、昨日生徒に言われた通りに少し早目に出勤した。 別にケーキが食べたいわけではないけどね。 だってそうでしょう、お母様に言われたら行くしかないでしょう。 「あ、先生来た。やっぱ彼女いないんだね。」 「駄目よ、先生困ってるでしょ。本当にすみません。先生ってモンブラン大丈夫ですか?」 「大丈夫ですよ。」 栗、無理なんですけど。 隆は栗好きなんだよな、栗ご飯とか和食系のやつ。 少しだけ食べて残り持って帰りますって言っちゃおうかな。 てか、周りも栗だよな、端の方ならいけるか。 「プリンも作ったんだよね、お母さん。」 「あ、そうなのそうなの。先生プリンもどうですか?いっぱい作ったんですよ。持って帰りますか?」 隆はプリン苦手なんだよな…モンブラン持って帰るって言いづらい状況だな。 「ありがとうございます。プリンいただきます。」 「先生、モンブラン全然食べてなくないですか?」 だから、この思春期ガールはいちいち勘が鋭いんだよ。 「喉がね、詰まりやすいんだよ。」 これは本当の理由です、味は大丈夫なんだけど、喉に詰まっちゃうから嫌いなんだよな。 喉は詰まりやすいけど、ちゃんと飲めるものは飲めるんだよ… ってこと考えてるなんて二人には言えないな、まだ昼間だっての。 さっきまで隆といたのに、もう会いたい。
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