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「すみません、早めに来ていただいて。」
「いえいえ、用事早く終わらせたので。」
次の日俺は、昨日生徒に言われた通りに少し早目に出勤した。
別にケーキが食べたいわけではないけどね。
だってそうでしょう、お母様に言われたら行くしかないでしょう。
「あ、先生来た。やっぱ彼女いないんだね。」
「駄目よ、先生困ってるでしょ。本当にすみません。先生ってモンブラン大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。」
栗、無理なんですけど。
隆は栗好きなんだよな、栗ご飯とか和食系のやつ。
少しだけ食べて残り持って帰りますって言っちゃおうかな。
てか、周りも栗だよな、端の方ならいけるか。
「プリンも作ったんだよね、お母さん。」
「あ、そうなのそうなの。先生プリンもどうですか?いっぱい作ったんですよ。持って帰りますか?」
隆はプリン苦手なんだよな…モンブラン持って帰るって言いづらい状況だな。
「ありがとうございます。プリンいただきます。」
「先生、モンブラン全然食べてなくないですか?」
だから、この思春期ガールはいちいち勘が鋭いんだよ。
「喉がね、詰まりやすいんだよ。」
これは本当の理由です、味は大丈夫なんだけど、喉に詰まっちゃうから嫌いなんだよな。
喉は詰まりやすいけど、ちゃんと飲めるものは飲めるんだよ…
ってこと考えてるなんて二人には言えないな、まだ昼間だっての。
さっきまで隆といたのに、もう会いたい。
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