第5章

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レストランで昼食をとり、瑞穂は山本さんにレッスンを受ける事になった。 俺は面白くない。 健太郎とつるんで滑る。 「なんかつまんねぇな。可愛いギャルもいないし。」 何本か滑って、山頂で一休み中。 健太郎が欠伸をしながら言った。 「はは。そうだな。」 「じゃあ全員一致で瑞穂の様子を見に行きましょう!!」 「俺とお前しかいないけど?」 健太郎のパンチが飛んでくる。 残念でした。こっちはガキの頃からお前に散々やられてんだ。どこにどう来るか、とっくにお見通しだっての!! 当然パンチはスルー。 俺は健太郎を出し抜いて、先に滑り出した。 瑞穂…上手くなったかな……… 「瑞穂ちゃん、意外と運動神経いいね!」 「ホントですか!?…わっ!!」 「……冗談だ。」 言われるなり転んだ私を、山本さんは笑った。 「きみは素直だからいいんだね。運動能力は限りなくゼロに近いけど。」 「えっ?…うぅ~ん!……ふぅ。先生!意味がわかりません!」 私は立ち上がるのも必死。山本さんが苦笑した。 「プッ…言っていいの?」 「……ドンくさいって言いたいんでしょ?」 「……そういう事。」 「ひどぉ~!!」 「だから素直で良いって、褒めたでしょ。」 「……それ、喜んでいいんですか?」 「さあ?」 「うわ~!!山本さん、隆也さんみたい!!超ドS!」 「ははっ!!瑞穂ちゃんは男が苛めたくなるキャラなんだよ。」 「先生!意味がわかりませんてば!」 「あとは嶋田に聞きなさい……うん、だいぶ上手くなったね。綺麗に滑れてるよ。基本は合格だから、あとは何回も滑って経験を積めばいいよ。」 「はいっ!!ありがとうございます!!」 「瑞穂ちゃぁーん!!」 但さんと沖田さんが下りてきた。その後から社長と奥さん。 直樹さん夫婦と、雄一さんとジェシカのカップル2組も集まってきた。 みんな口々に、私の上達を褒めてくれる。 ウフフ、かなり嬉しい。 「あれっ!?健太郎と隆也がいないじゃん?」 直樹さんが言うと、みんなが辺りを見回す。 「あ!あれ!二人じゃない?」
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