第5章

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若者たちが去って行くと、一人の男性が近づいて来た。 「すいません!!僕、遠山カオルって言います。カメラマンやってるんですけど、さっきの滑り、超カッコ良かったね~!!ばっちり撮らせてもらいましたよ!!」 隆也さんはいつものように表情を隠して、カメラマンが差し出した名刺を拒否した。 健太郎さんが代わりに受け取ると、私に渡してくれた。 「あれ、コンテストに出してもいいかな?」 「……あんたの写真だ。ご勝手に。」 「マジで!?ありがとう!!でも、カノジョさん!!僕の名刺、捨てないでね!!」 遠山さんは嬉々として去って行く。 「……さぁ、瑞穂、お待たせ。レッスン再開しよ。」 「はい。」 「オレも教えて貰お!!」 健太郎さんの言葉に、隆也さんは笑った。 瑞穂はかなり上達した。 まだボーゲンだけどちゃんとターンもできる。 時々止まると、楽しそうに笑って、喋った。 彼女と、健太郎と、3人でゴール地点のレストハウスに向かう。 ……もう少し、一緒にいたかったな…… 集合場所のレストランに着くと、他のメンツが揃っていた。 何やら携帯を囲んで、熱心に見入っている。 ……何となく、視線を感じる。 レストラン中の眼が……こっちを見てる?… 俺は振り返る。 何の変哲もない壁。 は?俺?……まさかまたサムライ? 「……なんか…隆也さん注目されてません?」 瑞穂が言った。 「オレたちカッコ良すぎ!?」 健太郎は嬉しそうだ。 「あ!!隆也!!こっちこっち!!」 雄一さんが手招きをする。俺たちは席に着いた。 「これ、お前だろ?」 携帯を見せられた。3人で覗き込む。 動画だ。 ヤベ……俺じゃん… 「あ!さっきの…」 「うわ、もうアップされてんの!?」 「………」 瑞穂と健太郎が声をあげる。 しまった……連中にクギ刺すのを忘れた… 動画サイトにしっかりアップされていた。 あの3人組だ。 「……サイアク…」 俺は髪を掻きむしる。 社長が楽しそうに笑った。 「隆也凄いんだな。お前こんなに上手いのか。」 「リュウさん超カッケー!!さすがアニキ!!」 「ん~、お前、わがプロレス団体に入れ!客が入りそうだ。」 ……相変わらずの但と沖田…
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