第5章

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「チョーカッコイイネ、サムライマン!!」 「隆也くんがこんな笑顔するなんてね!!」 「俺も引退かなぁ~!!こんなの見せられちゃムリだ!!」 ジェシカと奥さんと、山本さんがニコニコして俺を見る。 俺は溜め息をついた。 「隆也さん、周りに迷惑掛けてた人に注意しただけなんです。そしたら勝負しろって言われて……目立とうとかいうんじゃないんです!!」 瑞穂が強く言った。今やレストラン中の人たちが俺たち一行の会話を聞いていた。 「そうか。いい事したなら結構じゃないか。気にするな。」 社長が笑ってくれたから、俺はホッとして頭を下げた。 「お騒がせしました。」 「あの……」 後ろから声を掛けられてみんなが振り返る。瑞穂が子供を見てしゃがんだ。 「あ…さっきの子ね!?…大丈夫だった?」 「うん!!」 隣に立つ父親が頭を下げた。 「さっきは娘が危ないところを助けて頂いて、本当にありがとうございました。この子も驚いただけで。もっと滑りたいって言ってくれました。抱っこして滑ってくれってせがまれちゃって…お陰様でこれからも楽しめそうです。」 「……そうですか。良かった。マユちゃん、だっけ?スキーは楽しいから頑張って上手になろうね。」 「うん!!お兄ちゃんありがとう!!お兄ちゃんはマユのおうじさまだよ!!」 マユちゃんは俺に抱きついて、にこっと笑った………なんだか瑞穂みたいだ。 「いいけど、そんな事言ったらパパが泣いちゃうよ。」 みんなが笑った。 ホント、良かった………
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