第5章

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まどかさんが指した先、遠目に見てもカッコいい二人が滑ってくる。 「二人とも、本当にカッコいいよねぇ~!!」 「お、おい……」 まどかさんが嬉しそうに言うから、直樹さんが焦ってる。 直樹さんだって十分以上にカッコいいのに。 でも、ゲレンデを滑る二人…本当にサマになってるなぁ。 健太郎さんが急に止まった。 隆也さんも止まる。 健太郎さんが少し斜面を上っていく。端にいた二人連れの女子に声を掛けられたみたいだ。 ……健太郎さん、どうするかな… 何か喋って…こっちを指差して…片手を上げて、滑って来る。 隆也さんはその間ずっと他の方を向いていた。 二人が近づいてきた。 「あれぇ!?集合時間だった?」 健太郎さんが聞いた。直樹さんが笑う。 「いいや。なんかみんな集まっちゃった。」 「岡野!お前ナンパされたのか!?」 沖田さんが羨ましそうに言った。 「あ?あぁ、今の?ダメダメ!!」 「連れてきちゃえば良かったのに!!」 但さんが不満を口にする。 健太郎さんは知らんぷりで真っ直ぐ私の側に来た。両手で私の頬をつまんで… 「にゃ~!!上手くなったか?」 と、笑った。 「もうっ!!健太郎さん、ヒトの顔で遊ばないでください!!」 私は頬から健太郎さんの手を離して口を尖らせる。 隆也さんが社長と話をしながら、チラッと私を見た。 「直樹、悪いけど宿に迎え頼んでもらえるか?僕と幸枝さんはもうクタクタだよ。」 「了解です!他に帰るヤツ!?」 全員が手を上げた。笑いが起きる。 「早く帰って飲んだくれよう!!」 雄一さんが言った。 宿に戻ると、私たちはロビーで待つようにフロントで言われた。 直樹さんだけ呼ばれて、支配人とヒソヒソ話をしている。 「どうしたんだ?」 「何かあったのかなぁ?」 沖田さんと但さんが何だかわざとらしく言う。 私たち女性陣は、エントランスから一番近いソファに座らされていた。 「……奥さん、向こう…凄く素敵な眺め。」 私は、ロビーの奥、つまり私たちの席から一番遠くを指差した。奥さんとまどかさん、ジェシカも振り向く。
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