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それから2ヶ月、私は何も気づいていないフリをしながらひっそりと
過ごしていた。
王様は相変わらず日中はお仕事がお忙しいようだとキルバス殿からは伺っていた。
ここ最近、曇天が続いたり街に伝染病が流行ったりなど問題が続いているようで大変だという。
あんなに平和だったのに...
私は少しでもお力になれるようにと薬草書などあさったりしていた。
母国のほうが薬学書は豊富にあるので
私の世話係だったヒュースと文通しながら解決方法を探してみたがまったく新しい伝染病のようでどうしようもなかった。
そんな拍子にヒュースが私に書面で
「貴女は今、幸せですか?」
と、問てきてドキっとした。
なぜこんなことを聞くのだろうか。
「貴女は神に選ばれた御子。
あの言い伝えが本当なのでは?」
まさか。
ヒュースの言葉に戦慄いた。
私が...原因...?
その可能性に顔を青ざめたときだった。
ガチャ、
「ここにいたか。」
国書室の扉が開かれ入ってきたのは
王様だった。
睨むような眼差しに私は嫌な予感がした。
「来い。話がある」
「はい」
私はその予感が何か理解していた。
終わりが近づいていると。
逃れられない運命だと感じながら。
王様、それでも
私は あなたを...
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