1116人が本棚に入れています
本棚に追加
「や、弥生くん!?」
はるちゃんが叫びながら焦って近づいてきたと思ったら弥生くんが戻ってきた。
「蓮! なんで他の奴といるんだよ!! 蓮は俺の恋人なんだから俺といろよ!!」
そう言って弥生くんは俺の腕を引っ張る。
その力はかなり強いんだよね~。
だから毎回俺の腕には痣ができる。
たぶん今回も出来ちゃったかなぁ。
父さんや兄ちゃんに見つかったらどうしよ…。
…うわ…。
その時のことを想像したら鳥肌がたってきた…。
絶対怖くなると思うなぁ…。
そんなことを考えていると、もう片方の腕を誰かに掴まれた。
「おいマリモ。 お前ふざけるのもいい加減にしろよ?」
「…りゅーくん」
振り向くと、俺の腕を掴んでいたのはりゅーくんだった。
「お前!名前なんて言うんだ!? さっき俺に言ったことを謝ったら友達になってやるよ!!」
「ふざけないで下さい。それに蓮はあなたの恋人ではありません。今すぐその汚い手を離して自分の身の程をわきまえなさい」
「「イッチーの言う通り!! 早くレンレンを離せぇ!!」」
「れ…から…はな…ろ…!!」
すーちゃん、うーちゃん、くーちゃん、まこちゃん…。
みんなは弥生くんの手を俺の腕から離すと、俺と弥生くんの間に立った。
「な、なんでそんなこと言うんだよ!! それに蓮は俺の恋人だ!!」
「じゃあ付き合っているという証拠を出せ。どうせないんだからいい加減そう言うのやめろ。 蓮にもこれ以上付き纏うな」
そう言ってりゅーくんは俺の手を握り直して歩き出した。
特に行き先は言っていないけど、たぶん生徒会室なんだと思う。
そこは俺達だけの特別な空間だから…。
だから俺は安心して肩の力を抜き、りゅーくんに引かれるままついて行った。
…だけど後ろから肩を掴まれて振り向かされたのと同時に、唇に温かいものを感じた。
………へ??
最初のコメントを投稿しよう!