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健吾side
「待ちやがれ!! このチビがぁ!!」
「俺はチビじゃないもん~!!」
来栖との鬼ごっこが始まって既に15分…。
いい加減疲れてきたぞ!?
せっかく取り返してもまたすぐ取られるし。
しかも何気に足速ぇからなかなか捕まらねぇし。
もう嫌になってきたっつうの!
「クソッ! いいから大人しろや!!」
「やなのぉおお……っ!?」
―ズザァー
……………えぇー。
何かに躓いたらしい来栖は俺の目の前で思いっきり転んだ。
しかもあれ絶対痛いやつだ。
走ってたから勢いあったし結構滑ったからな…。
…てか起き上がらなくね?
「お、おい?」
「……ック……」
まさか…。
「ふえぇ…痛ぁいいぃぃいいいぃ~!!」
……号泣だ……。
いろんな所から血が滲んでるな。
…仕方ねぇか。
「よっと…」
俺は来栖を抱っこして保健室へと向かう。
「ック…健吾…くっ…! 痛ぁいよぉ…ヒック…!! ふえぇ!!」
「あー、よしよし。今保健室向かってっから大人しくしとけ」
そう言いながら背中を優しく叩くとさっきよりかは落ち着いてきたのか、泣いてはいるものの大人しくなった。
ったく、なんで俺こんな事してるんだか。
まあ、それ程嫌な気はしないからいいか…。
面倒なのは変わりないけどな。
でもこいつなんか放って置けない所があるから仕方ないっつーか…。
いや、俺誰にこんな言い訳してるんだよ
。
あーくそ、なんかドキドキしてるし。
まさかこいつに恋……いや、ねぇか。
きっと走ってたせいだ。
うん、きっとそうだ。
…はぁ…俺、こいつが関わってきてからキャラ壊れてきてる気がする…。
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