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「もしかして!楓ちゃんってアキが好きなのかも!!」
「……は?」
閃いて輝く俺の瞳に、アキは白けた視線を送る。
「だってさ、アキってめちゃくちゃモテるじゃん?それで楓ちゃんは俺を目の敵にする。つまり!アキと一緒にいる俺が気に入らないから!!
どう?完璧じゃない??」
「とりあえずカナの頭が完璧にやばいことだけは確かだな。」
俺の推理にピシャリと言葉を返すアキに「なんだよー。」と口を尖らせながら呟く。
完璧にそうだと思ったんだけどなぁ。
「…はぁ、俺も中谷も報われねぇな。」
「へっ?…てもうこんな時間か。明日は学校行くしもう寝るか。」
そう言って立ち上がり、俺は昨日同様棗のベッドを使うためにそちらに歩き出そうとする。
しかし、アキに左手を掴まれてしまって前に進めない。
「アキさんどうしたの。」
「…なぁ、今日までは甘えていいんだろ?」
「んー?まぁそう言ったな。」
「じゃあさ、今日一緒に寝てくれない?」
アキの言った意味が分からず、数秒思考停止状態で固まる。
がやっと頭が動き出し、俺は大きな声を出した。
「うぇ!?アキ何言ってるの!?」
「だから、一緒に寝てって。」
しれっと言い直してくるアキに目眩を覚えた。
今日のアキはいつも以上の甘えたを発症している。
「いや、男子高校生が1つのベッドで寝る絵図ってどうよ?それに狭いし。」
「大丈夫だろ、カナ小さいし。」
「小さくねぇよ!これでも170cmはあるから!!」
不毛な言い合いを続けるが、俺もアキも譲る気がなく、どうしようかなと俺は考えた。
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