575人が本棚に入れています
本棚に追加
するとアキは「悪い悪い。」と軽く答えて頭を撫でてくる。
そんな仕草に俺はそれ以上抗議を言えなくなってしまい、口を尖らせて再びアキに背を向けて布団に潜った。
「じゃあ、今度こそ寝るか。電気消すぞ?」
「…ア、アキっ……!!」
電気を消そうとするアキに切羽詰まった声を掛けてしまう。
そんな俺に気付いたアキは優しく笑い、ゆっくり俺の頭を撫でた。
「大丈夫。真っ暗にはしない。」
「……うん、ありがと…。」
そう言うとアキは電気を静かに消し、再び俺を抱き締めながら布団に潜った。
少し暗くなった部屋。
背中から感じるアキの温かな体温。
そして俺が寝付けるように優しく頭を撫でてくれるアキの手。
それらを全て感じながら、俺はゆっくり目蓋を閉じ、そのまま意識を深い眠りに落としていった。
今日は穏やかな夢が見れそうだと、心の隅で感じながら。
.
最初のコメントを投稿しよう!