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「アキの看病があるから行けないってさっきメール送っといた。」
「えっ?誰に送ったん?」
「楓ちゃん。」
俺の返事を聞くと、棗は少し驚いた顔をし、政宗はなんで棗がそんな表情をするのか分からないのか首を傾げていた。
「楓ちゃんはああ見えて常識人だから。五月蝿いけど。」
「あー、変人ばっかの生徒会で苦労してそうやもんなー。五月蝿いけど。
で、返事返ってきたん?」
「ん。しょうがないから伝えといてやる!お大事にな!ってさ。あぁ、常識人。」
「ふーん。じゃあ奏多も帰れるんだな!今日は帰りにプリン買ってこうぜ!」
一連の会話を眺めていた政宗が簡単に話をまとめ、少しウキウキしたようにそう言った。
「まさやんなんかウキウキしてない?どうしたん?」
「あっ、今日はあれだ。政宗の好きなプリンの新作が発売される日だ。」
「あー。それでな。」
「いやいや!俺は寝込んでる神楽のために美味しいプリンをだな!」
「あー、はいはい。みんなの分買ってこうな。」
「おうよ!」
アキをだしに新作プリンを買うことにはしゃぐ政宗を、俺と棗は少しジト目で見つめてから、可笑しくなって笑いながら購買へ向かった。
◇◇◇
「ただいまー。」
無事プリンを買い、アキがいる部屋に2人と共に帰ってくる。
共有スペースであるリビングからはテレビの音が聞こえてきて、アキが起きているのだと分かった。
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