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11.
黒い衣を羽織った少年は、高いビルの屋上、給水台の上に立っていた。夕陽が綺麗だから上に上がっているわけではない。
この少年は、何か『異変』を感じ取り、街の光景を眺めている。
「これはいってぇ、どういう事だ……。何の変化も見られない。だが……」
説明が難しいと言うべきか。
簡単に表すと、空気が変わったと言った方がいいかもしれない。
「何か嫌な感じがする……。分かるか、"チャイドラ"?」
その言葉と共に、小さな赤い竜が現れる。いや、トカゲに近かった。
チャイドラ「確かにおかしいじゃき。お前の言う通り、嫌な感じがするじゃき。でも分からないじゃき」
「そうか……。まぁでも、早めに捜さなきゃいけねぇという事は分かった」
少年は給水台を、飛躍しながら降り立つ。
「片っ端から捜索するぞ!」
チャイドラ「じゃき!」
そう言い、謎の少年は駆ける。
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