第一章~来訪、刀を持つ少年~

17/24
前へ
/54ページ
次へ
11. 黒い衣を羽織った少年は、高いビルの屋上、給水台の上に立っていた。夕陽が綺麗だから上に上がっているわけではない。 この少年は、何か『異変』を感じ取り、街の光景を眺めている。 「これはいってぇ、どういう事だ……。何の変化も見られない。だが……」 説明が難しいと言うべきか。 簡単に表すと、空気が変わったと言った方がいいかもしれない。 「何か嫌な感じがする……。分かるか、"チャイドラ"?」 その言葉と共に、小さな赤い竜が現れる。いや、トカゲに近かった。 チャイドラ「確かにおかしいじゃき。お前の言う通り、嫌な感じがするじゃき。でも分からないじゃき」 「そうか……。まぁでも、早めに捜さなきゃいけねぇという事は分かった」 少年は給水台を、飛躍しながら降り立つ。 「片っ端から捜索するぞ!」 チャイドラ「じゃき!」 そう言い、謎の少年は駆ける。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加