第一章~来訪、刀を持つ少年~

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2. 『コード・エリア』。 東京半分以上を占める、完全独立教育研究機関の独立都市である。 名の通り、あらゆる教育機関・研究組織の集合体の基になって作られた。 まぁ、あの災害がなければ、この都市は建てられる事はなかったのだが。 半壊となった東京の土地を、どこかの政治家が買い占め、この街が建てられた。 この都市が建てられた理由は、異能な力を持つ者達を、ここで保護する為。 八年前に起きた『アンノウン・バースト』によって、人は異能な力を持つようになった。 これもまた、原因は不明とされている。 だが、多くの学者が語るには、その爆発の粒子が人間の体内に入り、混ざり、血液と混合してでき上がったと推測している。 今の所はそれぐらいしかまだ分かっていない。 だから、もっと研究するため、この都市が建てられた。 整った学校や施設。 安定された職場。 中には能力者になってよかったと、言っている人も少なくはない。 そしてこの都市は、外部よりも数十年進んだ最先端科学技術が研究・運用されている。 まさに、近未来都市と言ってもいい。 最近では、異能な力を研究するだけではなく、学生達を育成する、『能力授業』(パワーカリキュラム)が実施される様になった。 そして今日。 五月一〇日は、『能力定期試験』の日である。 多くの学生達、そして大人達が最も緊張が走る、四ヶ月に一回りの恒例行事。 中には、嫌悪感を出す人達も少なくはない。 ショートヘアーの茶髪の少女もその一人だ。 黒板に書かれてある『能力定期試験』を見て、少女は一気に脱力する。 その様子を見た一人の少女は、脱力しているショートヘアーの少女を見て、苦笑しながら歩み寄る。 「もぉー。さっきまであんなに気分入っていたのに、いまの状況とは大違いね、杏梨?」 短く束ねたポニーテールに、左目に泣きぼくろがある少女は、ケラケラと笑いながら、からかう様に口を開く。 杏梨「だって、あんなのを見たら脱力だってしちゃうよ、千絵ちゃん」 机に突っ伏しながら少女は言う。 それを聞いて泣きぼくろの少女、"八木原千絵"(やぎはらちえ)はまた苦笑する。 杏梨「大体おかしいよ。なんで能力定期テストとかが実施されたの?しかも結果次第でレベル別に区分されるし」
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