~序章~1話 始まりの合図

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そしてこれだけ生徒数が多いと当然ながら教員達の目の届かないところで素行の良くない生徒が悪さをしたり、滅多に無いが学園の支給品などを盗む輩がいる。 鋼一達の学園は最先端技術の塊で出来た場所だ。 故に監視カメラの仕組み一つでも〈外の世界〉にとっては貴重で価値が高い。 仕組みを知ろうとする人間は山のようにいるのだ。 実際は見られても困るような技術は使っておらず、10年の技術差を埋める事など到底出来ない。 あまりにも学園が厳重で技術が漏れないため、噂で学園を守る〈自警団〉なるものがあると都市伝説のように一時期流行ったが、あくまで噂程度。 実情はもっと簡単で警備ロボや大気圏外で活動を続ける衛星カメラと学園のあちこちに設置された小型カメラなどが常に監視している事でそういった犯罪行為を防いでいる。 鋼一もこれだけの生徒数がいるとまとめ役の教員はとても大変だと思えた。 なにせ学園の広さに加え教室の数の多さ、150近くある部活動に同好会。 他にはない特別授業の『行事』。 教室で高さの違う椅子と机が組み合わさった様に明らかなズレがあるのに、学園のシステムが正常に動いているのが不思議なくらいだ。
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