~序章~1話 始まりの合図

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一方で科学者達が手掛けた研究施設はまさに自分達の理想と合致する完璧と呼ぶに相応しい場所となっていた(予想)。 厳重に守られた研究室がどんなものかなど鋼一の知る所ではない。 と、ここで鋼一はエニスに視線を移す。 「ここまででわからない事はある?」 「「ないでーす」」 「ちょっと待って、アリスは俺の宿題さっさと写してよ」 アリスは何事もないかのようにエニスと一緒に話を聞いていた。 鋼一の言葉に雌キリギリスのアリスはへらへらと笑う。 「大丈夫大丈夫。もう間に合うし後でやるから気にしないでいいの」 そう言ったアリスを横目に鋼一はエニスの為に説明を再開する。 〝後で″ほど信じられない言葉はない。 韓国ドラマのセッティング並みに胡散臭いものだ。
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