~序章~1話 始まりの合図

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鋼一達の学園は入学すると特殊な腕時計を支給される。 『ホログラフィーウォッチ』 略してHWと言うが、これにはこの学園の詳細な地図と個人情報がインプットされている。 学園に入る時もこれが必要となる。 他にも電子マネーを貯めて学食で注文が出来たり、友達とのメールや電話に使われたりと用途は様々だ。 把握しきるのが難しい英邁学園では重宝される品である。 鋼一も入学したての頃は委員会活動のせいもあり、学園中を駆けずり回ってめんどくさがってHWを使わなかったせいでよく道に迷っていた。 融通の利かない頑固一徹な一面はなおさなければいけないなと今では深く反省している。 よくある話で、反省しているが治ってはいない。 「とまぁこんな具合なんだけど役にたった?」 鋼一は今までの経験と知識を活かして話をしたが、自分が結構な量を知っていたことに驚いていた。
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