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工場では石油、石炭、天然ガスをえさこら燃やしてエネルギーを得るのではなく、世界を救った天才科学者である〈三博士〉の1人──────松本 葉介(マツモト ヨウスケ)が発見した『S細胞』という特殊な液体を使用する様になった。
実はこの『S細胞』が世界の主役を担うほど便利千万最強無敵な液体細胞だったのだ。
何にでも変化できる万能の細胞────『S細胞』は魔法の液体とも呼ばれた。
万能細胞の研究は瞬く間に進み、新たなエネルギー資源からはたまた机の裏側を支えるボルトの、輪っかの部分を造る作業場の、大型機械の部品にまで使われる。
最近では医療方面での活躍も期待され、むしろ机の裏側を支えるボルトの、輪っかの部分を造る作業場の、大型機械に使う必要はないと言われている。
どうして机の裏側の部品にわざわざスポットを当てたかと言えば、特に意味はない。別段パンツのゴムヒモでも本に使われるインクでもサラリーマンの履く臭い悪臭な靴下の生地でもいい。
纏めれば『S細胞』は世の中に深く浸透し、普及した事が重要なのだ。
そして世界を救った〈三博士〉の科学者達が各々発明を重ね、ホログラフィー搭載の小型腕時計、自立式AI、携帯式バーチャルデバイスなど個人で扱えるまでに性能を上げ、世の中を驚かせる発明を繰り返した。
世の中を驚かせたのは発明だけでなく、彼等は未来ある若き人材を更なる高みへと育てるために政府にとある提案をした。
莫大な大金と時間を費やし、建造したのは円形の巨大な人工島と学校。
人工島の直径は約10km。
学園の予測する総生徒数は9000人強。
教育を根底から覆すカリキュラム────『i'vent(イベント)』を組込み、生徒達の潜在能力を底上げしていくシステム。
建築期間を10年費やし、建設した学園の名は英邁学園。
世の中は幸福に満ち、救われる人間が増える中で〝ある事情″を抱えた夜十神 鋼一は真実を知る為にこの超巨大な学園に入学した。
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