チャレンジャー

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蒲田はこの後輩が苦手らしく、随分と嫌そうな顔をする。 山田のあっけカランとした性格が嫌味な彼には合わないのだろう。 靴で地面をベシベシ叩きながらイライラとした口調で言った。 「山田君大丈夫なのかね?今回の一番手は君なんだからね?」 蒲田が目を細めながらため息を吐いた。 更に皮肉を続ける。 「ここはお遊びの場じゃないんだけどねぇ。ったく最近の若い子はすぐ大声を出す。」 山田はムッとした顔をして蒲田に言いかえす。 「ちゃんと真面目にやってますよ!それに部長だって身体を変えれば体力や見た目はまた若返るんだからいいじゃないですか!最近 は皮肉もパワハラになるんですからねー!蒲田さん!」 山田の可愛い発言に麗奈が吹き出すと、蒲田がジトリと麗奈を見てまたしても溜息を吐き、打ち合わせの内容を再び確かめ始めた。 そう、今回の会議のドリームシステムの技術の概要は経験を積ませるために、山田に担当させることとなっている。 しかし、妙な事に、今日のホログラム技術革新共同組合との面々との会議が消え、その代わりに社長と重役がドリームシステムの概要を聞き、市場に出すかどうかを考えるマーケティング会議へと変更になった。 時間は30分程ずれたようで、内容も大して変わるものではなかったため、問題はないが急な予定変更もこの会社にしては珍しい。 蒲田や、山田にも少々疑問が滲んでいる。 三人は打ち合わせを済ませると、4階中央の会議室に向かった。
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