三島 麗奈(みしま れな)

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アナウンスを聞くと、麗奈は朝食に関しての指示を出す。 「野菜を多め、カロリーは普段の食生活を基準に。味はサッパリした物。量は300g程度でお願い。」 そう言うと、滝壺の中へと向かって行く。 もちろん歩く度に草を踏む音が聞こえ、滝壺へ近づくと水の音が大きくなる。 その滝を潜れば、その向こうにバスルームが設置されていて、中に入るとまた、アナウンスが快適な入浴のための指示を訪ねてくる。 身体を洗うのには、ミストというシステムが適用されており、皮膚や髪の汚れを分解、蒸気で洗い流し、最後に好きな匂いを全体に吹きかけて完了する。 そのため殆ど一瞬で、この時代の人間は朝の時間がかなり短縮されて行動できる。 しかし、麗奈は、身体を洗った後の浴槽を使った入浴を好むため、人より風呂に入る時間が長かった。 湯船に浸かりながら、今日の予定を報告するようにアナウンスに指示を出すと、空間上に今日の予定のスライドが表示され、アナウンスがそれと同じ内容を告げる。 『今日の御予定は、午前9時出社。9時半からホログラム革新共同組合の後藤様をはじめとした組合員の方々との合同会議。それ以降、プログラムのデザイン、シチュエーション、システム構成の開発です。午後三時以降仕事の終了。以上です。只今午前7時10分。入浴のお時間は意識転移プログラム使用の場合8時20分。実際のお体での移動の場合7時30分まで可能です。お食事の準備が整いました。』 アナウンスの報告が終了した後、5分程入浴を楽しみ、麗奈は美容プログラム(髪、体全体の肌を整える)を経、用意された服を着て自然空間のテラスへと向かった。 今日の朝食は日本風に味付けられ、味もいつも通り申し分ない。 麗奈はホログラムの中にニュース番組のスライドを表示し、食事をとりながらざっと情報を聞き流す。
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