最終章――仁

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****************** ぶわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! ――桜の樹の下には屍体が埋まっている かの文豪、梶井基次郎はそう描いた。 ――これは信じていいことなんだよ ぶわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! ――何故って、   桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか 信じていい。信じて欲しいんだ。 ――俺はあの美しさが信じられないので   この二三日不安だった ぶわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! ――しかしいま、   やっとわかるときが来た 俺は今でも愛してる。 ずっとずっと、柊香だけを。 ――桜の樹の下には屍体が埋まっている ぶわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! ――これは信じていいことだ―― 桜の樹の下――そこには。 間違いなく、俺の屍体があるのだから。
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