第一章――柊香

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「あたしと千賀ちゃんは、  小学校からずっと一緒なの。  高校までね。  あの頃は高校生になると、  パーティーに参加するように言われるのよ。  いわゆる社交界デビューみたいな。  あたしも千賀ちゃんも、  財閥の流れを汲んだ家柄だったから、  当然両親と出席するようになったわ。  今思えば、たぶん、  お見合いの一環でもあったのね。  色々な方に紹介されて、  たくさんの男性とおしゃべりしたの。  その中でも、あの二人は特別だった」 その会場にいる誰よりも目立って、 誰よりも笑っていた。 あの人はそういう人で、 その隣に立つ万寿もまた、 幾分か控えめに微笑んでいる人だった。
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