第一章――柊香

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****************** 「やっぱり、これって恋かしら?」 頬を紅く染めて、 その人について熱く語っていたくせに。 千賀ちゃんは自覚の薄い発言をした。 どう見たって、恋する乙女の顔なのに。 「きっとね」 そんなオトボケのところが、 とっても可愛いあたしの親友。 鮎川(アユカワ)千賀子(チカコ)は、 首を傾げて微笑んだ。 「また、お逢いできるわよね」 「もちろん。  今度はもっとお話できるように、  あたしも協力するわ」 恋に恋するお年頃。正にそんな感じ。 あの頃。 あたしたちは恋することに一生懸命で、 毎日が光り輝いていた。
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