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第13章 禁断の真実
「わあ、凄いね。愛の嵐か」
そこらじゅうに散乱した
サチの思い出の品々を見て――。
部屋に入ってくるなり由良が呟いた。
愛の嵐――。
「なるほど、嵐の中にいる時は何も見えないもんだ」
自嘲気に答える僕は
魔法のように目の前に現れた
愛しい子の横顔に手を伸ばす。
「そして去った後は――混乱だけが残る」
抵抗なく
その滑らかな頬に触れさせて
由良は静かに笑った。
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