学園

9/13
前へ
/207ページ
次へ
紫天か死神……。恐らくは死んだとされている死神。でも本当は重傷を負っただけでどこかに幽閉されている。 こんなところだろうか? 「オレもソルが帝国人でも気にしないよ」 だってオレも帝国人だから。なんて事は言えはしないが。 「流石だぜ!ん?……ラウ、来たみたいだぜ」 急にバルドの表情が引き締まったと思ったらその視線の先には10人程の男達が居て、こちらを見下した目で見ていた。 「てめぇらが帝国人を庇ってる野郎共か?」 口を開いたのは真ん中に立っている体つきのいい男。不良のリーダーって感じの奴だ。 ちなみにクラスメイトであるさっきの3人はそのリーダー格の男の隣でニヤニヤしながらこちらを見ている。 「ああそうだぜ!んで、お前らは威勢だけが取り柄のチンピラで間違いねぇな?」 あれは聞くまでもなくチンピラだな。 「口だけは達者だな1年生。さて、ちょっくら痛い目にあってもらうぜ」 オレ達がいるフィールドにゾロゾロと入ってくる男達。人数が多いからか余裕の笑みを浮かべている。 「ラウ、お前は雑魚共を頼む。俺様はあのAランカーの先輩をやるぜ」 リーダー格の男がAランカーで間違いはないはず。でもバルドはSランカーだから1対1では来ないだろう。 「了解」 バルドの手には大剣。オレの手には双剣。 「いくぜ!」 言われた通りオレは他の奴らの元へと駆け抜ける。オレだってAランカー。実戦経験ならこんな生徒なんかに劣ったりは絶対にしない。 実戦って言っていいのかは分からないけど、魔法の効果で体に直接的な傷は付かないから遠慮はいらない。 まずはあのモヒカン頭から狩らせてもらうぜ。ムカつく3人組は最後のお楽しみにしておこう。
/207ページ

最初のコメントを投稿しよう!

850人が本棚に入れています
本棚に追加