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このフィールドじゃなきゃ地面をえぐり、奴らの存在すら消滅させていただろうこの魔法。
予想通り既に3人組の意識は無いようで、地に伏している。
「ふぅ……」
久しぶりにここまでの魔力を使ったせいか、息が乱れている。
それを軽く整えてからバルドの方へと視界を移す。
するとそこにはバルドの大剣に軽く薙ぎ払われている先輩達の姿があった。
やはりSランクとAランクの差は大きい様で、なす術もなくバルドの猛攻に先輩達はひれ伏す。
その様子を見たオレは少し満足しながら武器を消す。
もうオレがいなくても勝負は決した。バルドだって勝負の途中で横槍を入れられたくはないだろうしな。
オレはオレの敵を倒して、バルドはバルドの敵を倒す。
そして、それから直ぐに最後の1人が力尽きオレ達の勝利は確定した。
「っしゃあ!俺様最強だぜ」
倒れている先輩達の中央でガッツポーズを決めるバルド。
ソルと模擬戦で戦った時はボコボコにされたらしいけど、やっぱり強いんだなバルドは。
「お疲れ」
ひとまずバルドに声をかける。
「おうよ、ラウもなんだかんだやるじゃんか!こりゃ新たなライバル出現だな」
冗談っぽく言うバルドの表情は満足気で何よりだ。
そう言うオレも満足してるんだけど。
そんなバルドがオレをライバルなんて言ったけど、正直勝てる気はしない。
自分で言ってて悲しくなるがこればっかりは実力差があるとしか言えない。
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