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「そりゃ学生なんかに負けないさ」
「は?」
突然バルドがオレの方をポカンとした表情で見る。
一体どうしたんだ。
そう思ったオレは自らの言葉を思い出す。
学生なんかに負けないさ……。
…………何言ってんだオレは!これじゃオレが本当は学生じゃないみたいだ!ただでさえこの前の事件でピリピリしてるのにこの発言はやばい!
さあどうするオレ……。何て言って誤魔化す!?
とそんな時、内心ヒヤヒヤなオレに対してバルドが救いの言葉を投げ入れてくれた。
「お前だって学生だろ!何言ってんだよ」
笑いながらオレの背中を叩くバルド。
「そ、そうだったな。ちょっと疲れてるみたいだ」
それに合わせてオレも笑顔を作り出してなんとかこの場を乗り切る。
「疲れすぎだっての!んじゃ教室戻るか。こいつらもそのうち目覚めるだろうし」
この光景を誰か見たらどう思うのだろうか。
そんな事を思いつつもオレは頷きバルドと共にこの場から去る。
オレ達のした事は結局力でねじ伏せただけだが、それでもオレは後悔なんてしていない。
友達の事をあんな風に言われて黙っていられる程オレは寛大な男じゃないしね。
んじゃ、またいつもの日々に戻るとしますか!
数ヶ月前までは想像もしていなかった日々に。
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