第1章 大人の恋をしてみませんか?

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このところさとみのプロフィール写真をパソコンの壁紙にしていた。 笑顔が可愛くて気にいっていたから、笑っているのに泣いているようにも見え、どことなく寂しげに感じていた。見ているといつも危うく吸いこまれそうになる。 淫靡さを放つ顔にゾクゾクッとした。見ていると正直やりたいという欲望が湧き起こる。しかしどうなるか判らない怖さもあった。翳のある美しさは破滅願望のある人を引き寄せる。 俺は、これまで女に溺れ、破滅した人間を幾人か知っている。今までは、そうなってしまう彼等の心の弱さを軽蔑してきた。どうやらさとみは自分をコントロールする術がないようだから、溺れないよう自分が行動を律すればいい、それぐらいに思っていた。しかしどうだろう?
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