第1章 プロローグ

5/13
15人が本棚に入れています
本棚に追加
/82ページ
2010年4月3日昼12時 「はぁ………」 「どうした? 顔色が悪いが…何かあったのか?」 「本当…大丈夫? 相談なら乗るわよ?」 昼休憩の時間に、教育課の山崎裕太と同僚の雪村 奏が声をかけてきた。 教育課の山崎裕太は、私の教育担当であり、なんでも相談してくれと言われている。 雪村奏は、私より3つ年上ではあるが、唯一の同期と言うこともあり、すぐに仲良くなった友人の一人だ。 私は、躊躇することも無く、二人に全てを話した。 「実は…夢見が悪くて…。 昨日は、暗闇の中で、知らない女性に追いかけられる夢を見たんですよ。」 そんな突拍子もない話に、二人はキョトンとした表情を浮かべ、目を合わすと笑いだした。 「ハハハハッ。すまない! うん。僕も入社してすぐに独り暮らしを始めたから、その気持ちわかるよ。」 「ふふふっ。 不安なのねっ。 可愛い所あるじゃない。 弥生さんって。」 「こっちは真剣に悩んでいるんですよぉ。 あんなに鮮明な夢… 何かあるんじゃないか? って思うじゃないですかぁ!!!」 「いやぁぁ。すまない。 そうだ!雪村君。 今日、八重樫君の家に泊まってあげたらどうだね?」
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!