第1章 プロローグ

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2010年4月3日夜9時 「ハハハっ! でさぁー。あつしのやつがさぁ。」 弥生のマンションにて、談笑する二人。 奏は、帰宅途中に寄ったコンビニで、発泡酒の6缶パック、つまみ代わりのお菓子、未成年の弥生の為にジュースを買い、2人だけの女子会を開催。 「あははっ。そーなんだぁ。」 と、弥生も初めて自宅に呼ぶ同僚と悪夢の事など忘れ、楽しいひと時を過ごしていた。 「それでねっ! あっ…。ごめん! ちょっとTELしてくるわ。 あいつ、時間にはうるさいのよ。」 「うん!行ってらっしゃーい。」 奏は、携帯を手に取ると脱衣所へ向かう。 「あっ?あつしぃ? うん。おつかれぇーえへへっ。 ん?うん。酔ってるよぉ。 ん?大丈夫だってぇー。」 脱衣所にいても、聞こえてくる奏の楽しそうな声。 弥生は、仲睦まじそうな二人の声に、何処と無くほんわかとした気分になり、 〝良いなぁ~。私もいつか…〟 と、心からそう思えた。 「えっ? うん。分かった。 弥生ぃー!」 脱衣所から、奏の呼ぶ声が聞こえてきた。 「なーにぃー?」 「ちょっと。」 何かと思い、脱衣所へ向かう。
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