1372人が本棚に入れています
本棚に追加
スポーツジム。プール。
いや、もぅ……もはや絶句です。
なんだか、いきなり先生に逢いたくなくなってきた。せめて、着がえてから来るんだった。靴だって、ぺたんこパンプス。
化粧も汗でほとんど落ちてるし。
私の考えている事が相当表情に出ていたんだろう。
内村さんは、もう可笑しくてたまらないという風な笑顔になりながら、エレベーターを呼んでくれた。
****
「エレベーターは、お住まいの方が鍵かスイッチを入れて下さらないと、当該階まで動かないんですよ」
エレベーターのボタンの下にある鍵口を指で軽く叩いて、内村さんが教えてくれる。
きっと、エレベーターにたどり着くまでに、内庭を見せるように、何折れかの廊下を歩かされるのも、約束していない客が急に押しかけた時、止められるように、だ。
何故だかそんな気がする。
「相当セキュリティが厳しいんですね」
エレベーターが開くと同時に、小さな箱の中に明かりがつく。内村さんが先に入って、私を招いた。
「そういうものを必要とする方もおいでですので」
たとえば、ヤクザの大親分とか?
そういえば、さっきの廊下なんか、銃撃戦とか映画ですると絵になりそうだった。
最初のコメントを投稿しよう!