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「お前、今何歳?」
「何歳って……17よ」
多々良があたしの手を持ち上げた。
「いいや。違うよ。そんな年じゃない。昔はこんな爪してなかっただろ」
あたしの爪には薄いピンクのマニキュアが塗られていて、左手の親指一本だけ白いお花のネイルアートがほどこしてあった。
多々良から手を奪い返した。
「やだ! いつのまに……こんなのどこで……」
「自分でやったんだろ。自宅で。よく見たら厚さがバラバラ。左手の親指しかアートも入ってない」
「自宅って……」
あたしの頭の中に突然、知らない家の映像が流れ込んできた。
大きくて綺麗な家。高そうな家具。ダイニングテーブルの前に座る女の人。
腕には大きな青い痣があった。
固く握り合う両手の爪先には薄いピンクのネイルアートがほどこされていた。
親指には不格好な白い花のアート。
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