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「おい!」
多々良に声をかけられてハッとした。
「しっかりしろよ」
「え?」
そこは礼拝堂の2階。目の前には心配そうな顔をした多々良がいた。
恐る恐る制服の左腕をめくる。
そこにはくっきりと青い痣があった。さっきの女の人と同じ場所に。
「なにこれ……朝はこんなの無かった! なにこれ」
多々良があたしを抱きしめた。
「大丈夫。落ち着いて」
男の人は怖いはずなのに、多々良に触れられると不思議と気分が落ち着いた。
「あたしは……なんなの?」
多々良は言った。
「篠宮玲奈だよ。今夜が終われば夢から覚める。気をしっかり保って」
「なにそれ。ここは、この学園は……」
多々良はあたしの背を優しく撫でた。
「この学園は現実じゃない。
篠宮玲奈の、
お前の心の中にあるものだ」
多々良は続けて言った。
「みんなを消してたのはお前だよ」
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