プロローグ

4/27
前へ
/266ページ
次へ
鍋に大量のいりこを放り込みながら雪は天に問いかけた。 冷蔵庫に寄りかかり呆れたように笑った天は、ハイセンスな洋服に身を包みファッション雑誌をめくりつつ答える。 「女の子ならみんな可愛いよ。柔らかくていい香りがして食べちゃいたいくらい。 だけど僕が恋をすることは罪だからなぁ。誰か一人に絞ったら、世の中の女の子が大勢泣いてしまうだろうし。 あ、そろそろ冷蔵庫から味噌を出そうか?」 真顔で言った天に、雪は苦笑いしながら首を振った。 「まだお魚入れてないからいい。って言うか天さん手伝う気ある?」 「服が汚れるからキッチンには立ちたくないんだよね」 「天さん、料理上手な男の方がモテるわよ?」
/266ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1911人が本棚に入れています
本棚に追加