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しかし、豹磨はすぐさま手を戻すと瞳を開いて梨乃に微笑む。
「梨乃さん、すみませんが凝視するのは辞めて頂けますか?」
「はいっ?」
「その……あまり注目されることに慣れていないので」
恥ずかしそうに言った豹磨の姿に梨乃は苦笑いする。
どんな手品を見せてくれるのか期待していただけに、それを見られないのは非常に残念に思えたからだ。
「分かりました。じゃあ……背中を向けておきますね」
「はい、お願いします」
梨乃は後ろ髪を引かれる思いで背中を向ける。
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