プロローグ

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外の気温は、もうじきマイナスになろうかという真冬の夜でも半袖シャツの海人はこよなく己の筋肉を愛している筋肉バカだ。 その見てくれに見合って海人は喧嘩早く気も荒い。 しかしこの稼業は危険にさらされることもあるだけに、裏目探偵舎唯一の武闘派である。 「さて、そろそろ客人が訪れそうですよ」 それまでカウンターの向こうで新聞を読んでいたもうひとりの男が呟く。 切れ長の瞳にシルバーの髪、黒スーツに身を包んだ彼は総代豹磨(そうだい ひょうま)。 裏目探偵舎のリーダー的存在である。
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