第1章 謎の差出人

237/239
1894人が本棚に入れています
本棚に追加
/266ページ
豹磨の言葉を聞きながら梨乃は思う。 今の都会暮らしでは、隣の部屋に住んでいる人と挨拶すらしないのに半妖の街での生き方は飛騨の街に暮らす人々を彷彿とさせる。 子供の頃、隣の家のおばあちゃんに夏野菜をおやつに頂いて、そのお返しにと庭の草むしりをお手伝いしたり、困っている人がいたら町内みんなで助け合っていた。 故郷。まさにその言葉がしっくりと当てはまるようなイメージが豹磨の口から淡々と語れて行く。 それをじっと無言で聞いていた鬼流院が梨乃に言った。 「半妖の街で暮らすクォーターも結構多いんだよ。 実際俺もそうだし、菊乃ちゃんもそうだ。だから何も不安になる事なんてないから」 「……鬼流院さん……」
/266ページ

最初のコメントを投稿しよう!