st.2 小さなお客様

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「和食とパスタ、どっちがいい?」 「どちらでも・・。」 「んー、じゃあパン派?ライス派?」 「ライス派・・ですかね。」 「じゃ、和食いこー!」 楽しそうに前を歩く女性。 「あの、名前きいていいですか?」 「え?誰の?」 「あなたの、です。」 そこでピタッと体を硬直させ、笑顔のまま時が止まる彼女。 そして、距離をつめめぐみを見上げた。 そういえば、この人は身長が低い。近くにいれば、頭半分ほど見下げなければいけない。 「ごめんなさい!私、すっかり自己紹介してると思ってた!!」 あわあわと慌て出す彼女は、目の前で手を合わせ謝ってきた。 「私、沙樹っていうの。25才よ!」 「めぐみです。今年で、21になります。」 「若いのに、落ち着いてるね!私と同い年くらいかと思った!」 むしろ、あなたの年齢に驚きです。 そう思いながらも、口にはでなかった。 昔から、思ったことを口にする事は苦手だった。 彼女、沙樹という女性がおすすめの定食を注文し、また美味しそうに食べ始める。 食事中に話すのは得意でないめぐみは、沙樹の話を頷くのが精一杯のコミュニケーションだった。 「めぐみちゃんって、食べ方綺麗だねー。」 「そう、ですか?」 「うん。」 「沙樹さんは、美味しそうに食べますね。」 「えー、それって私が食いしん坊みたい。」 よく笑う人だな。 彼女に対して2度目に感じた感想だった。 自分とは、真逆の人間。 「人間らしくて、いいじゃないですか。」 「え?」 意味をかく疑問なのか、聞き取れなかったのか。 彼女の疑問には答える事は出来なかったが、黙々とご飯を食べた。 しかし、彼女は気にする事も無く、色々と質問を投げかけてきた。
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