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姉に紹介された時から、その人の事はどこか苦手だった。
少しつり目で強気な雰囲気の姉の同級生
その人が来ると、怖くて友達の家に遊びに行っていた。
ある日、昼寝中に遊びに来たその人は、姉が少し買い物をしてくると行って出かけた時に、部屋に入ってきた。
突然首を絞められ、目を開ければその人は笑いながら私を見下ろしていた。
恐怖で泣き出し、必死に姉の名前を呼んだ。
しかし首はさらに締まり、抵抗する力もなくなると服を脱がされ、玩具のように乱暴に扱われ、恐怖で声が出ないでいると、
袋を持った姉が、氷のような表情で部屋に入ってきた。
その人は驚き、すぐ帰り、私は姉に救いを求めた。泣きながら。
しかし、
「汚いから、触らないで。」
姉からの初めての拒絶だった。
悪いのはあの人じゃないの?
なんで姉さんは私に怒ってるの?
訳が分からなかったが、その日から姉の態度は一変し、私を妹としてではなく、ただの物として見るようになった。
泣くことを許されず、笑うことを許されず、ただ黙って言うことを聞く奴隷のような玩具。
そんな私と姉の関係に気付きながら、他人のふりをし、そんな事をさせられる私が悪いと言った両親。
玩具で処女を破られた時、あまりの痛さに立ち上がる事が出来なかったが、立ち上がらなければいけなかった。
しなければ、酷い言葉責めが長時間待っていたから。
どれだけ自分という存在が無能で、恥さらしで、汚らわしいものなのか、たたき込まれた。
だからこそ、見た目は、作法は美しくと、ご飯の食べ方、お辞儀の角度、歩き方
ときには徹夜でやらされ続けた。
でも、1番辛かったのは夜の奉仕という名のセックスだった。
そこに私の意見はない。ただ快楽を与えるだけの玩具。気まぐれに遊ばれる玩具。
どんどん心が冷たく固まっていくのが分かった。
何も考えなければつらくない。
そう暗示をかけ続けていた。
聡と明菜と出会うまでは。
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