st.1 はじまり

7/10
前へ
/77ページ
次へ
「お、戻ってきた。どうだった?」 忙しくランチの準備をしながら、忍は聞いてきたが、2社目の事は詳しく話さないでおいた。 「無愛想だと指摘をうけました。すみません。」 「お礼はきちんと言ったんでしょ?」 ぴょこんと奥から出て来たのは、忍の相棒でもあり共同経営者の聡美だった。 「はい。」 「ならいいわ。気にしなくていいわよ。」 「そうそう。」 2人は少々自分に甘い気がする。 めぐみはそう思いながら、サロンをつけた。 「さぁ!今日も張り切っていこー!」 元気で明るい聡美が拳をあげ、活をいれた。 最初はこのテンションに戸惑ったが、今は一緒に拳をあげれるぐらいついてはいけている。 「聡美-さっそくだけどパン足りないわよー。」 「あー!はいはいー!」 そんな飛び交う会話に、めぐみは心地さを感じた。 「ほら、めぐみもグラスふいて。」 「はい。」 この時間が続けばいいのに。 そう願うめぐみであった。
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

90人が本棚に入れています
本棚に追加